drowning

初の英語タイトルである。少しかっこつけてみたかったからなのだが、もう少し字面のいい単語にすればよかった。別に自分が溺れているわけではない。~なわけではない、って毎回一段落目で使っているがそこは目をつぶってほしい。今日は映画「溺れるナイフ」の話である。

 

公開は2016年、自分がTSUTAYAで借りてきて観たのは去年のことである。なぜ今更、と言われても困ってしまう。とにかくこの映画が好きなので少し語ろうと思う。だから今日の記事は結論がない。いつもないけど。ネタバレはできるだけ避けようと思う。何しろこの国でネタバレは極刑に値する重罪である。

さて、公式サイトの作品紹介は次のようになっている(コピペできなかったのでなんと全部手打ち)。紹介文にないあらすじはネタバレとなる恐れがあるので慎もうと思う。

 

15歳の夏。東京から遠く離れた浮雲町に越してきた、人気モデルの望月夏芽。

退屈でウンザリするようなこの町で、夏芽は体を貫くような”閃光”に出会ってしまう。それはコウと呼ばれる少年、長谷川航一郎であった。

傲慢なほどに激しく自由なコウに、反発しながらも、どうしようもなく惹かれていく夏芽。コウもまた、夏芽の美しさに対等な力を感じ、やがて二人は付き合い始める。「一緒にいれば無敵!」という予感に満たされるふたり。しかし浮雲の夏祭りの夜、全てを変える事件が起こるのであったーー。

失われた全能感、途切れてしまった絆。

傷ついたふたりは、ふたたび輝きを取り戻すことができるのか。未来への一歩を踏み出すために、いま、ふたりがくだす決断とはーー。

 

 

いや、この紹介文だったら絶対に自分は観ない。しかも少女漫画の実写化映画である。この情報だけだったら絶対に自分の苦手なタイプの映画だと思うだろう。しかも観終わった後に気づいたが、本作は映画口コミサイトであまり評価が高くない。では自分はなぜこの映画を観ようと思ったのか。それは志摩遼平が映画初出演作であったからだ。しかも主題歌は毛皮のマリーズの名曲、コミックジェネレイションのドレスコーズver.である。これは観るしかない。また、予告編の小松菜々の演技も最高なのでとりあえず借りてみた。

正直、志摩遼平が観れればよかったので映画の出来は期待していなかった。しかし、タイトルが映し出される頃にはすっかり引き込まれていた。まず、冒頭のシーンがずるい。ピンク色に彩られた部屋でバッチリメイクをした小松菜々が撮影をしている。一瞬黒宮れいに見えた。後ろでは大森靖子の某曲がかかっている。そしてなにより海のシーンである。色彩は加工してあるのだろうが、寒々しい、しかし淡い青が画面を支配していて、いままで観たどんな海よりも綺麗だった。そこに立つ小松菜々と菅田将暉。最高のビジュアルである。

これだけ見どころがあってまだタイトルが出る前である。作品全体ではここで上げきれない量の見どころがある。ほとんどずっと見どころと言ってもいいのではないか。画がずっと綺麗なのである。どこで切り取ってもポスターになりそうなほどだ。

また、音楽もいい。前述のようにエンディングテーマはドレスコーズ、挿入歌は大森靖子しかも堀越千史によるカバー、インストの曲も最高である。印象的なギターインストの曲はコピーしようとしたほどだ(挫折した)。

監督、山戸結希氏は全国規模の商業作品はこれが処女作である。声がきれいで、非常にかわいらしい方であるがきっと映画に関しては頑固なのだろう。「おとぎ話みたい」という他の作品もよかった。

これ以外にもセリフが詩的だとか、大友がどれだけいいやつかだとか、あの曲で泣かされそうになるとはだとか、出演者にミスidに出てたひとが結構いただとか話は尽きないのであるがネタバレが怖いのでぐっと堪える。まだ処されたくない。とにかく、自分がTSUTAYAで複数回借りた映画は今のところこの一本のみである。

 

 

今度はバーフバリについてでも書こうかしら。引用があったのでいつもより長くなった。