Talk about yesterday

久しぶりの三鷹は雨だった。二日酔いの呼吸をしながら、友人の劇団を観に行ったので感想文でも書こうかと思う。もう公演は終わったのでネタバレは気にしないが、観劇していないと話が分からないと思うので観ていない人は僕の次回作を震えて待て。

注:ほぼ私信なので、劇を観た人でも面白くないかもしれない。

 

以下「①僕ならこうする、という具体的改善点」「②具体策はないがこうして欲しかったという点」「③劇は関係ないが観ている途中に考えたこと」の3部構成で書く。全て個人の主観であり事実誤認が含まれるであろうこと、演劇素人ではないがニワカであることを考慮して読んで頂きたい。また、Twitterで感想を漁ってみたらべた褒めされているツイが多かったので、自分はあまり褒めないように書く(書かれていないことを書かないと価値がないため)。全体としてはまとまっており、観に行ってよかったと思う。

 

①「僕ならこうする、という具体的改善点」

これは数点。まず、セリフについて。終盤、確かユキノのセリフで「旅に出ます」(語尾自信なし)というものがある。これは僕なら「街に出ます」にする。理由としては旅より街の方が「交差点」(劇中に何度か出てくるモチーフ)との繋がりが強いこと、寺山修司「書を捨てよ街に出よう」との関連で意味を深くできること、旅には遠出や行き先のないイメージがあるがユキノのその後の行動にはこの要素が感じられなかったこと、街の方が近くにいても繋がりがないというイメージが伝わりやすいこと、過去の人間関係(結、湯本)という部屋から外に出るというイメージが伝えられるということ、、、などが挙げられる。

次は演出について。劇の途中に休憩のようなシーンがあった。アフタートークにおいて主宰はその目的を「観客を劇中から現実に引き戻す」効果を狙ったと語ったが、少なくとも自分はその効果を得られなかった。その効果を得るならば、「誰か」のセリフの際に客席側にいる役者が喋ったり客席から突然立ち上がって舞台に出たりする演出を入れた方が効果的なのではないかと考えた(タネを明かすと、チラシの役者欄に舞台に出ていない人の名前が複数ありその人達が客席後方にいたため、そのような演出があるのではないかと期待していた)。

追記:一緒に観に行った友人はBGMのミックスを気にしていた(ドラムのピッチ修正した方がよい、など)。

追記2:質問コーナーできき忘れたのだけど、オープニング映像でボカロmvのモチーフがかなり出てきたのは意図的?それとも作った人の趣味?

 

②「具体策はないがこうして欲しかった、という点」

これは1つだけ。本劇の性交描写について。劇中では喘ぎ声や観衆の罵り声、遊具に跨って腰を振る動作などによって性行為が繰り返し表現される。自分にとっては、これらの表現は少し安直すぎるのではないかと感じた。もっと言えば、それらの表現をいかに間接的に、直接表現するより強烈に表現するのが演出の腕の見せ所だったのではないかと思った。恋愛小説において「好き」と言わずいかに恋愛感情を表現できるかが作家の力量を示すように、性交の表現をもっとこだわった方が面白かったのではないだろうか。

追記:舞台中央で腰を振るシーンは直接すぎるがゆえにインパクトがあり、その点では良かったのかもしれない。

 

③「劇は関係ないが観ている途中で考えたこと」

2点。演劇とは役者にとって他人になりきる動作であるけれど、本質的に他人にはなりきれない以上役者の持っている人間性を切り出して誇張して表現するしかなくて、その点において他人になろうとすればするほどその人の隠しきれない特性みたいなものが出てくるのは面白いなぁと思った。同じセリフ、同じ動き、同じキャラクタを演じるにしても演者によって動きが違う、というのが演劇ではわかりやすいのだね。

あと、今回くらいの舞台-客席の距離だと役者の表情に集中したり、逆に舞台全体全てを俯瞰してみるような鑑賞方法は向いていないように思う(さらに僕は視力が弱めである)。今回くらいの距離感では役者の体の構造や動きに目がいった。やっぱり男性は体のパーツが直線的で、女性よりも男性の方が機械やロボットが好きな人が多いのは自分に似たものが好きだからなのかもしれない。見た目以外でも男性の方が骨っぽくて筋肉も硬い。

 

 

書くのが疲れたのでここまで。お疲れ様でした。

 

P.S.主人公の名前のアナグラムは今日まで気づきませんでした。