帰宅のススメ

帰り道、駅からの途中に病院がある。消灯時間はいつも過ぎているから、窓は真っ暗だ。入院患者用の計器だろうか、青い光がその窓の奥で点滅している。入院して毎日それを室内で見ていたら、気が狂ってしまうと思う。

 

30mほど先には、プランターばかり置いてある家があった。今年の夏には更地になっていた。2日前に通ったら、更地の地面にカットされたスイカが散らばっていた。湿った土には似合わない夏だった。

 

さらに30mほど進めば、公園がある。今日通りがかったら3人が手持ち花火をしていた。ヘッドホンをしていたから、それは全く無音に見えた。歓声があったかもしれないが、無音の火の明かりは、道路向かいのガソリンスタンドの光に照らされた人影は、景色として完成されていた。そういえば、今年は花火をしていない。

 

公園の脇を通って、住宅地を進む。この道は、じんわり嫌な感じがする。通勤者のテンプレの嫌な所が煮詰められたような景色だ。ここの道では、数センチ余計に猫背になる。余計なことも考える。余計な自分についても考える。嫌な感じだ。

 

そうしてブログを書ける環境に着く。長い文章を書こうと思ったので、助走のためにこんな記事を書いた。付き合わせた人間には、済まないと思う。