死語と流行

言葉は、言語は動的だとよく言われる(気のせい?)。小中高と国語の授業で日本語の変化に関する論説をたくさん読まされた気がする(うろ覚え)。国語の授業はほとんど聞いていなかったので読んでいなかったという反論は甘んじて聞こう。その動的な部分の最たるものが流行語であろう。

流行語には大きく分けて一発ギャグ、新単語、元からあったが事件などで多様された単語、の三つがある。今思いついた区分なので例外は山ほどありそうだが気にせずいく。流行語は毎年流行語大賞として発表されている(http://singo.jiyu.co.jp/)。去年、2017年の大賞はさすがに自分でも知っていた。だが大賞以外となると「魔の二回生」とか「睡眠負債」とか「9.98」とか「29連勝」初めて聞いたぞ。というか半分くらい一年間で話題になったニュースから適当に拾っただろ。

過去のも公開されていたので第一回のものを覗いてみた。………全部初耳の単語であった。絶滅率100%は予想してなかった。自分がテレビをまだ観ていた2010年前後を見てみると、まあ知っているものばかりであった(当然である)。今でも使っている言葉が多い気がしたが、これは自分が知っているからであってもしかしたら今の中学生は知らないのかもしれない。そこで自分がリアルタイムで知らないが古すぎない、自分が生まれた年の流行語を見てみた。こちらもほとんど初耳である。しかし「ボキャ貧」がこの年からあったとは知らなかった。しかも首相がつくったのかよ。

これまで見てきたように、流行語のほとんどは死語へと変化する。一発ギャグは間違いなく死語になる。最初は面白くても何回も見せられていれば慣れてしまって飽きるからである。新単語には二種類ある。ある出来事によってつくられた言葉と内輪で使われていたものが有名になった言葉だ。前者はその出来事や事件から時間が経つにつれて使われなくなるので死語になる。後者は流行語大賞にはあまり入ってこないが、若者言葉に多い(作った人が判明しないことが大賞に入ってこない一つの理由だろう)。大人が使う言葉への反発、自分たちだけの言葉を使う仲間意識、自分たちにしか通じないという優越感、などがこれらの言葉が生み出される原動力である。これらの言葉もまた死語になりやすい。なぜなら自分たちだけのスラングであった言葉が流行語として普遍化してしまえば、その言葉を使う理由は急速に薄れるからだ。また別の言葉にとって代わられるだろう。

 

死語ってぱっと出てこないからこそ死語なのだろう。「今時使っていたら痛い死語」をお互い言いあって、より痛かったほうが勝つゲームなどやったら盛り上がりそうである。センス問われるのでかなり白熱しそうであるが、何ゲームも続けるのは難しそうである。