いっぴきと退屈

去年から、一人暮らしをしている。大学生になったら一人暮らしをしたくて地方国立を受けたというのもある。深夜に電話しても1人で映画を観ていても突然踊り出してもゴロゴロしてても何も言われない。親の仕送りで生きているので自立は全くしていないのだけど。

 

一人暮らしをして思い出したのは「僕の部屋は僕を守るけど、僕をひとりぼっちにもする。」(「恋と退屈」より)という峯田和伸の言葉。自分の部屋は最高に好きだし(これは一人暮らししてなくてもだけど)、居心地はいいし人に会わなくて済む。

でも、同時に会おうとしなければ誰にも会えないしだいたいの面倒事も自分でやらないといけない。ネットの契約とかは最悪だった。大学には自宅にふらっと遊びに来るほどの友人はいないし、自分も呼びたいと思う友人もいない。札幌にしては家も狭いほうだしね。

 

最近、本を読んでいたら高橋久美子も峯田と同じようなことを書いていた。

「家はときに砂漠のように孤独で、ときにシェルターのように私を守ってくれ、ときにただの箱になる。(中略)自分の物ばかりが並ぶ部屋の中で、自分から逃れられない閉塞感、同時に安堵感。家から出たくて仕方なくて、でも家に帰りたくて仕方なくて。」(「いっぴき」より)

一人暮らしをしたらみんな思うのかもしれない。今実家暮しの人もいずれ感じるのかもしれないし、もしかしたらもう感じているのかもしれない。

 

一人暮らしはとても楽しいけれど、どうしようもなく物足りない夜もあって、ここまで読めばわかるようにそれが今日だってこと。外は雨で、札幌は窓を開けて寝ると風邪をひく。寂しい時って誰かに会うなりして解決した方がいい時と、その感情をただ噛み締めた方がいい時があると思うんだけど、どれほど共感されるのだろうか。

 

追記:チャットモンチーが好きだった人は「いっぴき」読むべし。まだ

まだ最後まで読めてないけど。「恋と退屈」は受験期に息抜きで何回も読んだ本。