夢日記1

電車に乗っていた。電車は座れる程度に空いていた。向かい側に座っていた白い服の少女は寝不足のような顔で、白い動物のぬいぐるみを前に抱えて床を睨んでいた。海の見える駅で降りた。

電車が行ってしまうと、線路が1cmほど海に浸っているのが分かった。ホームの端の少し先には小さな砂州があって、電車が来ていない時に線路を超えて何人かそこにちゃぷちゃぷしに行っていた。空は灰色で風は強く、波は白く泡立っていた。サラリーマンのおっさんも裾を巻くって、靴を脱いで、そこで遠くを見ていた。電車が来ると皆はっとして小走りでホームに戻った。

来た方向に戻る電車に乗った。乗ってすぐ、その路線の地図が頭に浮かんだ。行ったことない駅も含めて。海の上にも駅があった。今思えば、それは青森の地形に似ていた。海に浸った駅は青森で言う五所川原付近にあり、僕の向かう方向は青森駅付近だった。

田舎にしては大きな駅で降りた。駅はボロかったが、端っこの新しいホームには新幹線も来るようだった。そこは長野駅だ、と直感した。長野駅に行ったことはないが、僕の中の長野駅のイメージが具現化したような駅だった。駅の売店にはやたら味噌と漬物が置いてあった。桶の間をすり抜け、トイレを済ませた。

駅から出て、公園に歩いた。何だかつけられている気分だった。緑の多い公園の、薮の中に入っていった。開園時間前だったから人は居ない。存在がバレたようで、警備員の気配。警察犬も居そうだ。鈍足を走らせた。隠れたところの斜面の窪みには、雪が少しあって、驚いて蹴り飛ばした。細かくなった雪はすぐ溶けるだろう。雪があるような気温には思えなかったが、夢では暑くも寒くもない。都合のいいことだ。自分の服装も覚えていない。現状でも自分が何着てるかなんてあまり意識しないが。

近くの斜面には竹が生えていて、適当なところで身を隠した。乗り物に乗っていた疲れで、そのまま寝てしまった。そうして目覚めた今日。(2019.11.7)