臨海実習

15日から23日まで、札幌から350kmくらい離れたところで臨海実習をしていた。距離的には東京名古屋間と同じくらいらしくて、でも北海道にいるうちに距離感覚が崩れてしまったからそれが遠いのかすらよく分からなかった。電車で行こうとすると片道1万円くらいしたので、学科の人間とレンタカーで釧路まで行ってそこからワンマンのローカル線に乗った。

 

だいたい毎日7時には起きて8時からフィールドに出て午後は実験所で作業、夕飯は18時でそれから風呂に入るか実習の続きをやって、風呂上がりは酒盛りをした。実習が終わった次の日には勝手に6:30に目が覚めて、2度寝しても7時で、10日ぶりくらいの休肝日にしたら腹を壊した。毎日生き物の話とそれ以外の話をした。クーマやワレカラの話を延々するのは楽しかったけれど、その話自体よりもそんな話題を延々できることが楽しかった。

 

毎日、生物のことばかり考えていた。音楽は聴かないようにしようと思っていたけれど、聴かなくても大丈夫だった。泳ぐラッコを横目に桟橋で釣りをして、釣れた魚は飲み会中に料理して食べた。毎日寝不足で、食べ過ぎだった。

 

今月は忙しくて、脳内の思想的な働きはめっきり仕事を失っていた。生物のことばかり話していて、内面的な話は少なかったし考えなかった。今もそういったことが考えにのぼらない。少しずつ、まともな人間になっていく。幸せかどうかも、まともな人間は考えないものだ。

 

今は実習中に拾った鹿の骨を標本にして、取ったキノコを乾燥させている。もっと、本を読みたい。その欲求は、体を動かせない。