YUKI

今日は四月にもかかわらず雪が降った。それだけならまだいい。自分が古本屋にいる途中に降り出さないでほしい。外に出て焦ったではないか。去年は知らなかったが、雪が唇に当たると痛いのである。もう東京では桜は散ったというのに。ただ、去年は中旬に猛吹雪があったのでそれを考えるとずっとましかもしれない。

 

そう、今日は古本屋に行ったのだ。いつものように昼過ぎにのこのこと起きてきて、ぼんやり朝食を食べて急にかかってきた彼女からの電話に出て、切ってからもYouTubeを観て、結局三時半過ぎに家を出た。なんとなく外出したくなり、思いついたのが古本屋だけだった。しばらく行っていなかった古本屋に直行した。

四月ということと大学に近いという立地から、教科書コーナーができていた。大量の教科書の横は参考書コーナーだった。見覚えのある大学受験用のものから、将来使うかもしれないTOEIC対策のものまで並んでいた。

その棚の前に立った時、受験生だった時のことを思い出した。高校三年生ともなると、誰しも参考書の棚の前に立つことがあるだろう。自分はその参考書コーナーの棚を見るのが大好きだった。自分はどの参考書を使おうか、と考えるだけで楽しかったし、なにより膨大な参考書を前にして「自分はこんなに勉強していないことや知らないことがあるのだ」と考えるだけでワクワクした。勉強のモチベーションが落ちた時は本屋にいってやる気を出したものだ。高校から吉祥寺がチャリ圏だったのでよくジュンク堂に行っていた(この前行ったら参考書の棚は奥のほうに移動していた)。

しかしこのやる気、去年一年間は完全に失っていた。国立前期入試が終わった日から、魂が抜けたようになにも考えられずなにもやる気が出ない状態が続いた。去年は半分以上をそのリハビリに当てたと言っても過言ではないだろう。「成績取に必死になる代わりに本読む」などと言っていたが前半はほとんど本も読めずにただぼんやりしていた。そんな状態は初めてだったので対処法もわからなかった。今は抜けだしつつあるが、その時は何もかもが面倒だった。

そんな、一年間忘れていた勉強へのワクワク感を思い出した一日であった。ワクワクしているだけではただのバカなので勉強もちゃんとしようと思う。勉強したくて大学に入ったのだし。

 

明日起きたらきっと忘れているが、忘れていても行動できる人間になりたい。