クリスマス

僕がアメリカに住んでいた時、隣の部屋には白人のおばあちゃんが住んでいた。一人暮らしだからか、クッキーを焼いた時はよくうちにわけてくれて、クリスマスの日には大きな塗り絵の本をくれた。その本が今どこにあるのかは分からないし、僕は塗り絵が下手くそだったから全く塗らずにとってあったと思う。まだ生きているといいな、と思う。プレゼントが関係のない歳になってから、ふと思い出した。

 

今年のクリスマスイブは、大学でレポートを書いていた。日付が変わる前に終わらせるつもりだったが、結局3時までかかった。24時間開いているその部屋には10人くらいがpc画面を睨んでいて、時々目を休ませるために会話をした。3本のレポートを無事書き上げ、4時に布団に潜り込んだ。一時期の寝付きの悪さは改善したが、そもそも寝る時間が遅くなっているので睡眠不足は改善されていない。

 

忙しくて駅のほうにもあまり行っていない上にテレビがないので、今年はクリスマスソングを耳にしなかった。帰り道のコンビニ前でトナカイの着ぐるみでケーキを売る同級生の横には、ラストクリスマスを流すコンポが置いてあった。欲しいのはケーキではなく、本屋のちくま文庫の棚丸々なのだが。

 

今日にはもうクリスマスの影はどこにもなく、百貨店の前には松飾りが置いてあった。切り替えの速さは見習いたいと思う。書くことは多いが、やるべきことは更に多い。年末だからという訳では無いが期限付きのタスクが多い。師匠は自発的にではなく走らされているのだ。その勢いのまま駅伝に出てしまう師匠もまた多いのだそうだ。