明日を捨てられなくなった君と

今年の夏も、東京で遊べる期間が終わった。随分人には会えたと思う。明日は早起きして、バスで実習に行く。こんな夜は、銀杏BOYZのDOORを流しながら荷造りをする。

 

お祭り騒ぎの吉祥寺で、可愛い後輩と昼飯を食べた。相手は誕生日だと言うのに、僕は飯代すらも奢れなかった。卒業して何年経っても僕は冴えないままで、猫背でナポリタンを食べた。祭太鼓なんていつぶりだろう。後輩が今夜食べるだろう素敵なケーキの話をしながら、母校の文化祭に行った。

 

高校の通学路は僕の記憶がぼんやりしていることを際立たせ、廊下はやっぱり埃臭かった。内臓がチクチクして、部活には名乗らず差し入れをした。もう知り合いは在学していないその校内で、友人と現在を更新した。

 

明日のために、そそくさと帰宅をした。思えば、感情のまま行動することが減った。同窓会も台風が来るからと、話し足りないのに帰った。憑かれたような勢いで飲酒することもなかった。カラオケは1度も行かなかった。いくらでも話せるのに、会うのはいつでも夜だった。神保町で何も買えず、tokyo fmも聴かなかった。終電を気にする前に解散した。

 

話すことも、将来のことが多かった。就職のことや結婚のこと、院進のこと。最近好きになったバンドのことは話せなかった。理想の女の子についても話せなかった。大学で何を勉強しているのかも聞けなかった。でも恋愛の話を少しして、顔と思考もほんのり褒めて貰えた。

 

帰省した時しか触れないから、ベースは全然弾けなくなっていた。ステージに立ちたいと、ストリップを観ながら思った。僕はいつまでもドキドキしていたくて、なんとなく僕たちは大人になるんだ。