ぼんやり、冬ではない季節のことを考えていた。もう暫く会っていない夏のこと。サンダルはその防御力の低さと臭いが嫌なのであまり履かない、そもそも高校以降は持っていなかったように思う。でもその気軽さと見た目の季節感は好きで、人が履いていると少し嬉しい。

 

ぼんやりしている時の精神は東京をさまよっている。夢には何故か中学の同級生ばかりが出てくる。会いたい人は誰も出てこない。僕の外側にいると思っていた人ばかりが、夢で遊んでいる。

 

最近、もの忘れが酷い。必要なものをよく忘れて一々自宅まで徒歩で戻る。イライラしないように心の中で麻酔を打ち続けている。物忘れだけではなく、過去のこともボロボロと頭から消えていっている。寄りかかっていた柱は崩れかけで後ろは崖だ。眩い閃光は僕を貫いてから戻ってくることはなかった。見ていられないほどセンチメンタルな文章しか書けなくなってしまった。

 

スマホを見すぎだ。すぐに流れさるインターネットの情報は、僕の忘却を認めてくれる。そこはいつでも今だ。空虚な人間に成り下がっていく様を見られたくなくて、端末を放り投げても現実は耐えきれないほど空虚だ。この文章も空虚であることも、メタ的演出に慣れてしまった友人各位には理解して貰えるだろう。

 

頭の回る、よく切れる日が月に1度ほどしかない。もう少し勉強します。神様になった気分で、僕を許してもらえたらいいのだけど。