空には黶

髪を切った。頬を撫でていた前髪は無くなり、ヘッドホンがよくフィットするようになった。視界が広くなって、空の広さに驚いた。今日の空は僕の視力でも分かるくらい澄んでいて、青から藍色に変わるくらいの場所に、眠っている時の目みたいな月とそのホクロのような金星が浮かんでいた。

 

しかし髪を切られるのは苦手だ。待っている時から緊張する。髪を切る事に関する時間を減らしたくて、1000円カットにしか行かない。適当に注文して椅子に座ったらあとはじっと目を閉じている。終わるまで開けない。切っている途中の髪型なんて見れたものではないからだ。家の鏡で自分を覗くと、数日は違和感がある。

 

 

 

1月は毎日実習もレポートもあって忙殺されていた。今日の午前に実験レポートとテストを受けたので、あとテスト1つで春休みである。テストは木曜日だから久しぶりに一息ついている。春休みといっても予定は何も決まっていなくて、帰省の飛行機すら取っていない。旅行に行きたいけれどどうも行きたい所を絞りきれない。こんな気分の時は何も決められない。

 

夜は寝れないし、夕方は辛い。ようやく夜寝れるようになってきていたのに、先週末の飲み会で崩れてしまった。3次会の家で寝てしまって、みんなが帰る時に起こされた。寝起きでぼんやりしていたらみんな帰ってしまったので、終電を逃して泊まっていく女の子と2人で7時まで話していた。家主は僕が寝る前からずっと寝たままだった。

 

寝そべって書いていたら、切った髪が布団にいちいち引っかかる。弱々しく後ろ髪を引かれながら今日の書き物はこれで終わり。