切り札的三分間

思うところがあって、高校時代に好きだった曲をいくつかまとめて聴いた。今聴いても、当時の自分のセンスは悪くなかったと思う。

 

あれは確か、高二の秋だった。文化祭のライブが終わって少し暇のある時期に、部活の男3人でノコノコとマックに集まった。西荻窪には雨が降っていた。3人は事前に自分が好きな100曲を選んできていて、そのリストを見せあった後に、1人1曲ずつその曲についてフリートークをした。日が完全に暮れるまでそれを繰り返した。その曲のリストは今でも手元にある。

 

またやろうと言っていたのに、1度もやらないまま大人になった。好きな曲は増えたけれど、トーク力も相手もいなくなった。

 

酒を飲んでいる時に、「大学では、自分の話題のカードが10枚あるとしたら2枚くらいしか切っていない」という話をした。一緒に飲んでいたのは大学の友人だから、失礼ではあるのだが。高校では手札の話題が5枚程度しかなかったが、5枚全てフル活用していたと思う。大学では友人ごとに使うカードは別でも、全て使える友人は居ない。何枚かは使わなすぎて使い方を忘れてしまったくらいだ。

 

僕はおしゃべりだから、使えるカードがあると使えるだけ使いたくなる。仲の良い友人には手札を全て見せてあげたくなる。これだから子供っぽいところが治らないのである。