「僕らが大人たちを追い越したのさ」

今年の桜は早くて、僕は4年振りに満開の桜を観ることができた。東京のいい所は適当に歩けば桜があることだ。「週末には桜が見頃だったり」という歌ばかり聴いたかいがあったのかもしれない。

 

帰省の度に1人ずつ会える友人が減っていく感覚を覚えながら酒を飲んだ。自分が今日も生きていることがなんだか切なくて、切なさを隠すには喋り続けるしかなかった。

 

出会ってからもうすぐ6年になる彼女と別れた。別れ話の途中で雨が降ってきて、その日は雨音で眠れなかった。最後まで彼女は優しくて、自分は今でも情けないままだ。別れてから目に映る景色は別れる前よりずっと鮮明で、それが余計に現実と自分を切り離した。

 

札幌では部屋の隅ばかり眺めていた。彼女は生活の一部になっていて、それは生活のすべてで彼女を思い出すことを意味した。僕は夜を迎える為だけにブログを書いた。付き合っていた時は、このブログは読まないで欲しい、読んでも感想などは伝えないで欲しいと彼女に言ってあった。今後は読んでくれるだろうか。