ジ・エンド

目覚めると、喉が痛かった。昨日は叫んだりしていないのだけど、と思っていたら目が覚めてきて煙草を吸いすぎたことを思い出した。僕の失恋を知った友人がくれた一箱を、あっという間に灰にしたのだった。近くの部屋から2人分の話し声と物音が続いていて、新生活の始まりの気配がした。

 

ポストにはネットで注文していた本とDVDが押し込まれていた。毛皮のマリーズの解散ライブDVDが届いたことが一番嬉しい。コインランドリーから洗濯物を回収してから観た。

 

中学三年生の夏に毛皮のマリーズに出会ってから、僕はずっと志磨遼平になりたかった。僕の喋り方も手の動かし方も全部志磨遼平の真似だ。僕にとってのスーパーヒーロー。そのヒーローの、青春の終わりの映像だった。

 

先月くらいから、もう大人になるのだということを考えている。僕にとって、大人になるということが非常に観念的なものなのでその区切りを人に説明することが難しいのだけど。