白い雲

4月になった。知らないうちに肩書きが少し変わった。いつも通りに嘘をついた。働くようになった人々の投稿はみんな困惑を隠しているみたいだった。

 

映画館では2席隣の人が声を出して笑ったり独り言ちたりするものだから没入出来なかった。映画館のマナーとしては最悪なのだが、その人の笑い声は悪気なんてまるでなく楽しそうで、普段なるべく笑うように意識している自分がむしろ間違っているのだと思った。そんな風に笑えないのに、どんどんと思考の底が浅くなっている。書けないものばかりが増える。

 

考える必要のあるものをすべて後回しにしている。ギリギリになれば考えなくても選択しなければいけない、そうして思考がなくてもバレないようにしている。でも僕の薄っぺらさは親しい人ならみんなわかっていたことだろう。僕の笑顔の大半は誤魔化しだからね。

 

数日前はブログを書き始めて3年だった。1週間前は日記を書かなくなって1年だった。今日は引っ越してから5年目の始まりだった。僕も風景の一部だから、変わっていくしかない。

 

東京での最後の夜に、今日社会人になった友人2人とカラオケに行った。それは自分にとってのエンドロールだった。そのうち片方の友人は今日「悲しくてやりきれない」を歌っていた。僕が文面にしたすべてのものより雄弁なその歌を聴いて、自分以外の幸せを願うよ。