rhyme

サクレライムが好きだ。さっきまで冷凍庫に4つ入っていて、今はもう3つしかない。サクレレモンが夏のはしゃいでいる時の味だとしたら、サクレライムは新緑の風の中に気だるい温度を感じた時のような夏の予感が詰まった味がして、嬉しい。

 

初夏の嬉しさなんてないような部屋で食べていた。部屋干しの臭いと湿気に満ちた自室、横には読めていない本の山。疲れの抜けない目。夏の湿気みたいな不安で、スマホを握る手がすべる。

 

余計な不安を無くすために、マインドフルネスを教わった。呼吸に集中すれば、「今」に意識が向くらしい。呼吸を意識しているだけでは生活できないせいで不安になっているのに。時間は死ぬまで連続する予定なのに。

 

キャンドルを見ていると落ち着く、と友人が言った。自分も買って眺めてみた。一番小さいものを買ったのに、僕よりも明るかった。様々なものをキャンドルにしたくなって、でも火では死にたくなくて、キャンドルはやめにした。

 

不安だったら、夜読書の合間にアイスなんて口にしている場合ではないのかもしれない。じゃあ何をしていれば不安なのだろう。安心は遠くにあっておもうものかもしれない、夏と反発して逃げていく。